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購読するアプリを収益化する方法は数多く存在し、モバイルパブリッシャーにとって主流なのは、複数の戦略を組み合わせて活用するアプローチです。なかでもサブスクリプションモデルは重要で、持続的な収益を構築し、長期的なエンゲージメントを促進するうえで、代表的な収益方法のひとつとなっています。
モバイルアプリにおけるサブスクリプションは、2011年にAppleが初めて導入し、その後2012年にAndroidtが続きました。導入以来、サブスクリプションモデルが急速に広まった背景には、その柔軟性、安定した収益性、そしてユーザーに継続的な価値を提供できる点など、複数の要因があります。
サブスクリプションモデルは、アプリ内広告(IAA)やアプリ内課金(IAP)といった他のモバイルアプリ向け収益化手法と簡単に組み合わせることができるため、パブリッシャーが収益源を多様化させるには、非常に良い戦略です。実際、すでに約35%のアプリ1が、サブスクリプションと他の収益化手法を組み合わせて活用しています。
本記事では、モバイルアプリにおけるサブスクリプションモデルについて最も一般的なモデルや業界ごとの活用例を取り上げ、深掘りしていきます。さらに、サブスクリプションモデルをアプリに導入する際のメリットとデメリットについても詳しく見ていきます。
*本記事に記載されている金額はすべて米ドルです。
サブスクリプションモデルとは、特定の機能やコンテンツ、サービスを利用するために、ユーザーに定期的に料金を支払う収益化手法です。支払いの頻度はアプリによって異なり、最も一般的なのは月額プランと年額プランですが、なかには週単位や6カ月単位の料金プランを提供しているアプリもあります。
無料トライアルを行うことで、ユーザーの興味を喚起し、サブスクリプションのメリットを事前に体験してもらうことができます。サブスクリプションと同様に、トライアルの期間もさまざまで、アプリジャンルを問わず3〜7日間が一般的です。トライアル期間が終了すると、サブスクリプションは自動的に更新されるか、改めてプランの購入を促されます。
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サブスクリプションモデルには主に3つのタイプがあり、それぞれ提供するコンテンツの内容によって分類されます。どのモデルが自社のアプリに適しているかは、プロダクトの構造や提供するコンテンツ、そしてユーザーの傾向によって異なります。
サブスクリプションモデルのなかでも最も一般的なのが、メンバーシップ型のサブスクリプションです。ユーザーは、定額料金を支払うことで、追加機能やコンテンツ、特典を利用することができます。無料版では使えないメンバー限定の機能を利用可能にすることで、ユーザーの登録意欲を高めます。ほぼすべてのアプリジャンルに合わせてカスタマイズできるため、このタイプのサブスクリプションは常に人気です。
例:Amazon Primeでは、無料の翌日配送や割引、Prime Videoといった限定特典を提供しています。
SaaS型のサブスクリプションでは、一定の期間中、特定のソフトウェア(またはソフトウェアのパッケージ)をフルで利用することができます。これは、一度の支払いでソフトウェアをずっと使い続けられる一般的な「買い切り型」とは異なります。
SaaSサービスの中には、機能を限定した無料バージョンを提供しているものもありますが、すべての機能を利用するためにはサブスクリプション登録が必要です。さらに、登録者だけが利用できるカスタマーサポートやカスタマイズオプションといったものもあります。
例: ExpressVPNには無料版やトライアル版はなく、有料のサブスクリプションプランに加入した場合のみVPNサービスを利用できます。
コンテンツ型のサブスクリプションでは、ユーザーは料金を支払うことで、すべてのコンテンツを利用することができます。現在このタイプのサブスクリプションは、Apple TV+、Prime Video、Huluなど動画配信系のプラットフォームを中心に使われており、加入者は映画やテレビ番組のすべての作品を視聴できます。
教育系のコンテンツでもこのタイプのサブスクリプションが活用されており、学術論文や研究資料、書籍など、幅広い学習コンテンツを利用できます。こうしたアプリの中には、学校や大学と連携し、学生や教職員向けに割引を提供しているものもあります。
例:Disney+のサブスクリプションに加入すると、配信されているすべてのコンテンツを視聴でき、加入期間中は映画やテレビ番組を楽しむことができます。
サブスクリプションサービスの料金設定にはさまざまな方法があり、アプリの構造やユーザーの利用方法によって異なります。以下の料金設定を参考にしてください:モデルを紹介します。
定額制は最もシンプルな料金設定のひとつで、一定期間に決まった金額を支払う形式です。多くの場合、ひとつの料金プランでサービスや機能をすべて利用できるようになっており、購入前に無料トライアルが用意されていることもあります。
定額制料金のサブスクリプションは、他の方法ほど柔軟性はないものの、そのシンプルさゆえにうまく機能します。そのため、この方法を採用するパブリッシャー、ユーザーが「選択肢がひとつしかない」と感じてしまわないよう、適切な料金設定を行うことが重要です。
従量課金制のサブスクリプションは、利用者が利用したデータ量や時間といった指標に応じて課金する仕組みです。ユーザーは自分自身の利用状況を簡単に把握できるため、あらかじめ支払う金額を見積もることができます。
ユーザーが利用するストレージ容量や処理されたデータ量に応じて課金されるこのタイプのサブスクリプション方式は、多くのSaaSやクラウドサービス企業で採用されています。
シート課金型サブスクリプションは、アプリ内で利用する「シートごと」または「プロフィールごと」に課金するモデルです。通常、各ユーザーがそれぞれライセンスを持つ必要があり、シートを追加するごとにサブスクリプションの総額が増えていきます。
利用者個人のニーズに応じてシートを簡単に追加・削除できるため、多くのSaaSサブスクリプションはこのモデルを採用しています。サービスを使う必要がある従業員数に合わせてシート数を調整できるという点が、利用する企業にとっては特に魅力的です。
現在の多くのサブスクリプションは段階的料金制を採用しており、ユーザーは複数の料金プランから選び、購入できます。プランが上がるごとに機能が充実し、それに応じて価格も高くなります。
複数の料金プランを用意することで、ユーザーは自分が求める機能を、納得できる価格から柔軟に選ぶことができます。選択肢がないことが、ユーザー離れにつながることもあります。実際、38%の加入者2が「より低価格のプランがあれば解約しなかった」と回答しています。
ここで紹介したのは数あるサブスクリプション料金モデルのほんの一部であり、他にもフリーミアム型やバンドル型などがあります。選択肢が増えているとはいえ、自社アプリに最適なモデルを選ぶには、サービスの内容、サービスを利用するユーザー数、そしてユーザーが支払ってもよいと考える金額に大きく左右されます。
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現在市場で人気の高い多くのアプリは、収益化の手段としてサブスクリプションを採用しています。動画配信から教育といったジャンルまで、異なる分野における代表的な事例を紹介します。
*価格は2025年9月25日現在のもの。
📱ジャンル:動画配信
💳サブスクリプションモデル:コンテンツのサブスクリプション
📶プラン:広告ありスタンダード(月額7.99ドル)、スタンダード(月額17.99ドル)、プレミアム(月額24.99ドル)
🔎概要:Netflix は世界有数の動画配信プラットフォームです。2025年前半だけでも、世界中で約950億時間3におよぶ動画コンテンツが視聴されています。このサービスは3つの料金プランを提供しており、プランが上がるごとに追加プロフィールの作成、より高画質での視聴、広告非表示といった機能が利用できるようになります。
📈主なデータ:
📱ジャンル:フィットネス
💳サブスクリプションモデル:メンバーシップ型サブスクリプション
📶プラン:個人(月額11.99ドル/年額79.99ドル)、学生(年額39.99ドル)、ファミリー(年額139.99ドル)、Strava + Runna(年額149.99ドル)
🔎 概要:Strava は人気のフィットネスアプリで、ワークアウトの記録、運動目標の設定、フィットネスチャレンジへの参加ができます。サブスクリプションの階層には4種類あり、すべて年単位で更新されます(年額または月額から選択可能な、スタンダートな個人プランを除く)。さらに、加入前の30日間無料トライアルも用意されています。
📈データ:
📱 ジャンル:アート/デザイン
💳 サブスクリプションモデル:SaaS型サブスクリプション
📶 プラン:Canva Pro(月額12.99ドル/年額119.99ドル)、Canva Teams(月額14.99ドル/年額149.90ドル)、Canva Enterprise(カスタム価格)、Education(カスタム価格)
🔎 概要:Canva はグラフィックデザインプラットフォームで、ポスター、プレゼンテーション、ウェブサイト用の素材などの視覚コンテンツを作成できます。個人やグループ、組織向けに複数のプランが存在し、それぞれ豊富なツール、テンプレート、カスタマーサポートを利用できます。
📈データ:
📱ジャンル:教育
💳サブスクリプションモデル:メンバーシップ型サブスクリプション
📶プラン:Super(月額12.99ドル/年額59.99ドル)、Super Family(年額119.99ドル)
🔎 概要:人気の語学学習アプリ Duolingo は、無料版に加えて2種類のサブスクリプションプランを提供しています。Super プランと Super Family プランの加入者は、追加の学習コンテンツ、無制限の「ハート」、広告非表示といった特典を利用できます。さらに、1週間の無料トライアルでプレミアム機能を体験することも可能です。
📈データ:
📱 ジャンル:フィンテック/暗号資産
💳サブスクリプションモデル:メンバーシップ型サブスクリプション
📶 プラン:Basic(月額4.99ドル/年額49.99ドル)、Preferred(月額29.99ドル/年額299.99ドル)、Premium(月額299.99ドル)
🔎 概要:暗号資産取引のフィンテックアプリ Coinbase では、3種類のサブスクリプションプランを提供しています。取引手数料無料、プライオリティサポート、会員限定の抽選への参加資格といった特典が含まれており、ユーザーが資金を動かす際の安心感を高めつつ、取引ごとに節約できる仕組みになっています。
📈データ:
上記の5つは、パブリッシャーが自社アプリの構造やユーザーのニーズに最適なサブスクリプションモデルをカスタマイズできている好例です。その結果、加入者にとって柔軟性が高く、価値のある体験を提供できています。
あらゆるアプリ収益化手法と同様に、モバイルアプリにサブスクリプションを導入することにもメリットとデメリットがあります。パブリッシャーは、自社アプリのユーザーの行動、期待やニーズを念頭に、リスクとリターンのバランスを慎重に考える必要があります。
サブスクリプション収益モデルは適切に導入すれば、確実にデメリットよりもメリットが上回ります。付加価値の提供を継続し、解約率を抑え、競合に先んじることができれば、パブリッシャーは安定した収益、ロイヤルティやリテンション、ユーザー体験の向上を実現することができます。
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サブスクリプションの料金設定は、サービスの価値、業界標準、ユーザーのエンゲージメントを継続させたい期間といった、主要な要素に基づいて行うことができます。
平均的な消費者は、月あたり約7〜20ドルの課金をいとわず、すでに全体で平均月33.58ドル20のサブスクリプション料金を支払っています。パブリッシャーがユーザーの支出を獲得したいのであれば、的確な料金設定が必要です。サブスクリプションプランに複数の階層を用意することで、ユーザーは自分がアプリに期待する価値に応じた料金を選ぶことができ、利用しやすくなります。
サブスクリプションの料金設定は、サービスの価値、業界標準、そしてユーザーにどれだけ長く利用してもらいたいかといった主要な要因によって変わります。以下の表では、各モバイル分野における月額および年額サブスクリプション料金の中央値を示しています:
*表のデータ参照元レポート:Revenue CatのState of Subscription Apps 20251
これらの中央値は、それぞれのアプリジャンルの特性や、想定ユーザーのエンゲージメントスタイルを反映します。たとえば教育系や健康&フィットネス系のアプリでは、ユーザーは長期的な目標を持っていることが多いため、アプリの利用時間に見合った料金であれば、多少の追加投資もいとわない傾向があります。
自社アプリのサブスクリプション料金を決める際には、次の点を検討することが重要です:
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サブスクリプションモデルをうまく機能させるのは簡単ではありません。ここでは、ユーザーとパブリッシャー双方にとって最も有益なサービスにするためのヒントを紹介します:
サブスクリプションは、収益化戦略を多様化させるための有効な手段ですが、それだけですべてが解決するわけではありません。アプリやユーザーを効果的に収益化するには、多くの要素が連動して働き、ロイヤルティを高め、LTV(生涯価値)を向上させていく必要があります。
ただし、選択肢は従来のマネタイズ手法だけではありません。異なる分野のモバイルアプリ各社がユーザーの時間と支出の奪い合いを繰り広げるなか、新たな戦略も登場しています。ゲームのオファーウォールは、課金・非課金ユーザーの両方を収益化することができる魅力的な方法となっており、アプリ内でのリテンション向上にもつながります。
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参考文献: