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ロイヤルティプログラムは、地元のカフェのスタンプカードから、大手航空会社のマイレージサービスまで、今やあらゆる場所に存在します。アメリカの平均的な世帯は18のロイヤルティプログラム1に登録しているとも言われており、うまく設計すれば、健全なカスタマー層を維持するための有効な手段となり得ます。
報酬によってロイヤルティを育むという取り組みは、古代エジプトにおける労働者向けのトークン配布から、B.T.バビットによる「トレードマーク」2のような近代的な施策まで、何千年にもわたって企業に活用されてきました。現代においては、こうしたインセンティブ設計は多くの企業で当たり前となっており、実に90%の企業3が何らかのエンゲージメント施策やロイヤルティプログラムを有しているとされています。
アプリベースのロイヤルティプログラムがいつ登場したのか、正確な時期を明言することはできません。しかし、それがデジタル領域を席巻し、リテンションを向上させ、マネタイズを多様化し、LTVを押し上げる「新たな定番」となったことは間違いありません。
本記事では、業界をまたいで成功を収めているロイヤルティプログラムの事例を7つご紹介します。各事例における統計データや注目すべきポイントを交えながら、トップクラスのプログラムを構築するためのヒントをお届けします。
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カスタマーのロイヤルティは、業種を問わずビジネスを成功させるための重要な要素のひとつです。競争が激化するなかで、ユーザーの「お財布」をおさえ続けるためには、戦略的なアプローチが欠かせません。
ロイヤルティの高いカスタマー層を築くために、第一印象は重要です。潜在的なユーザーがブランドと初めて接する瞬間から — ソーシャルメディア、テレビ、またはその他のメディアを介して — 関係性が築かれます。その関係を育てていくためには、あらゆるタッチポイントを最適化し、ポジティブな印象を与え、信頼を築き、リテンションを高めていく必要があります。
とはいえロイヤルティは成功を保証するものではなく、長期的に成果を上げるには、丁寧に育てていく必要があります。プロダクトの品質維持、企業の価値観の明示、ロイヤルティプログラムの導入といったアプローチを通じて、ブランドとユーザーとの関係を強化していく必要があります。難しく聞こえるかもしれませんが、多くの企業はすでに、リワード体験を通じた長期的なロイヤルティ構築の「方程式」を解き明かしており、その手法はロイヤルティの分野で確固たる地位を築いています。
💡知っていましたか?: ブランドの発信や行動に納得できない場合、消費者の約53%4が不満の声を上げ、47%は離れると言われています。お気に入りのブランドであっても、一度離れたユーザーのうち17%は、二度と戻ってこないとされています。
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業界: 飲食
概要:
スターバックス®リワードは、店頭・オンラインのいずれの購入でも「Star」と呼ばれるポイントが貯まる、アプリベースのモバイルロイヤルティプログラムです。貯めたStarは、無料のドリンクやフード、カスタマイズオプションなどと交換できます。使いやすいUIが特徴の公式アプリでは、特典の管理やモバイルオーダー、限定オファーの獲得までがスムーズに行え、ユーザー体験を向上させながら売上アップ5にも貢献しています。
特徴
スターバックス® リワードには、継続的な利用を促すために、以下のようなさまざまな機能が備わっています:
実績データ:
ポイント:
多くの人が日常的にコーヒーや朝食を購入していることから、スターバックス® リワードはユーザーの生活習慣に自然に溶け込み、日常の習慣の邪魔にならない形で多くのメリットを提供しています。このように、ユーザーが意識的に「使おう」としなくても自然と利用できる設計は、習慣的なエンゲージメントやリテンションの向上につながります。
業界: 旅行
概要:
Flying Blueは、エールフランスおよびKLMが提供するロイヤルティプログラムで、フライトや宿泊に1ドル使うごとにマイルが貯まり、無料アップグレードや次回以降のフライトの割引などに交換できます。利用金額に応じてXP(経験ポイント)も付与され、一定の条件を満たすことで上位ステータスへと昇格し、より多くのメリットや限定特典が得られます。各ステータスを維持するには、毎年所定の利用条件を満たす必要があります。
また、アプリでは搭乗券の管理、フライト情報の確認、付帯サービスの購入など、旅行に関する各種情報を一元的に管理できます。空の旅に伴う煩わしさを軽減するよう設計されており、ヨーロッパ・アフリカ地域で「Best Elite Program」9としてFreddie賞を受賞するなど、旅行業界のプログラムとして常に高い評価を得ています。
特徴
多くの航空会社と同様、エールフランスとKLMによるFlying Blueは、航空旅行にかかる高額な費用を少しでも抑えることを目的としたプログラムで、以下のような機能が用意されています:
実績データ:
ポイント:
多くの旅行系ロイヤルティプログラムと同様、Flying Blueは階層構造を採用することで、高額利用者に対してより充実した特典を提供し、時間や支出に見合った価値を感じてもらえる仕組みとなっています。ステータスに比例して特典が充実していくため、ユーザーは次のランクを目指す楽しみを感じ続けられます。
業界: 金融
概要:
Amexが提供するアプリベースのロイヤルティプログラムでは、ユーザーにさまざまなメリットや特典、リワードを提供しています。14段階のランクに分けられた個人向けクレジットカードのいずれかを使うことでポイントが貯まり、貯めたポイントは商品と交換したり、月々の請求額の支払いに充てたり、旅行費用に活用したりできます。年会費無料のカードから有料のカードまで幅広く用意されており、アメックスでの利用金額に応じて相応のリワードが提供される仕組みです。
特徴
アメックスのアプリは、アカウントの管理や請求書の支払いに加えて、以下のような機能を備えた優れたデザインになっています:
実績データ*:
*出典:American Express 2023年年次報告書12
ポイント:
Amexのロイヤルティプログラムは、カードの多彩なラインアップと、リワードおよび特典の柔軟性を備えることで、ユーザーの最も高いニーズに応えています。ポイント獲得手段が多岐にわたるため、ユーザーは時間と支出に見合う方法でリワードを得ることができます。
業界:小売
概要:
My Bath & Body Works Rewardsは、購入ごとにポイントが貯まり、店舗やオンラインで無料アイテムと交換できるデジタルロイヤルティプログラムです。アプリ内では、特典の確認、オンライン注文、新商品のチェックなど、すべてを一括で行えるよう設計されており、高い利便性と機能性を一元化したシンプルな体験を提供しています。
特徴
My Bath & Body Works Rewardsは、一般的な小売系ロイヤルティプログラムと同様の構造を採用しており、以下のような機能があります:
実績データ:
ポイント:
Bath & Body Worksは、ユーザーのニーズをすべてアプリ内で完結できるよう設計し、買い物・ギフトカードやオファーの管理・デジタル特典の活用といったあらゆる機能を集約することに成功しています。ロイヤルティプログラムの機能を一元化することで、ユーザー体験を効率化し、利便性を最優先した設計が「使いたくなるアプリ」としての価値を高めています。
業界:モバイルゲーム
概要:
Pokemon GOでは、月額ベースのロイヤルティプログラムが2種類用意されています。課金ベースの「Reward Road」と、ゲームへのエンゲージメントに応じた「Go Pass」です。プレイヤーは、パブリッシャーであるNianticの直販ウェブショップでアイテムを購入することでポイントを獲得でき、これを使って「Reward Road」バトルパス内の限定アイテムをアンロックできます。一方「Go Pass」は、無料と有料の2つのパスがあり、ゲームプレイを通じてXPを獲得し、一定のレベルに到達するごとに期間限定のリワードを手に入れることができます。
特徴
Pokemon GOでは、ゲーム業界で広く使われているバトルパス形式の仕組みを採用しています:
実績データ:
ポイント:
Pokemon GOでは、2種類のリワードプログラムを組み合わせることで、課金プレイヤーと非課金プレイヤーのどちらに対しても報酬機会を提供し、プレイスタイルによってプレイヤーが疎外感を感じないよう設計されています。すべてのユーザーが同じように課金するとは限らないモバイルゲームにおいて、プレイスタイルを問わず、時間・エンゲージメント・ロイヤルティに応じて報われる仕組みを整えることが重要です。
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業界: ライドシェア/フードデリバリー
概要:
Uber Oneは、Uberの主力サービスであるライドシェアとUber Eatsの両方に対応した、ブランド横断型のロイヤルティプログラムです。月額$9.99(学生向けプランは$4.99)で加入でき、配送料が無料になるほか、特定のライドに対するUber Oneクレジットの付与や、定期的な割引などの特典を受けられます。毎回の利用で得られる割引や特典によって、月額のサブスク費用の元が取れる仕組みになっているほか、追加のメリットや特典も用意されています。
特徴
Uber Oneの特典は、UberとUber Eatsの両方にまたがって適用され、メンバーは以下のような特典を受けることができます:
実績データ:
ポイント:
Uber Oneにおける多くの成功要因のひとつは、ライドシェアとUber Eatsという2つの主要アプリ間でシームレスに機能し、ユーザーが双方の特典を活用できる設計にあります。プログラムの「体感価値」が2倍に引き上がっているのです。ロイヤルティプログラムをブランド全体に組み込むことで、ユーザーに他のサービスを使ってもらうきっかけを与えることができます。
業界:小売
概要:
SephoraのBeauty Insiderは、購入ごとにポイント(「Beauty Insider Cash」と呼ばれる)が貯まり、次回以降の購入時の割引やセールイベントへの先行アクセスに利用できる、階層型のロイヤルティプログラムです。年間の利用金額に達したり維持したりすることで、3段階の会員ステータスが用意されています。ステータスが上がるほど、より高い割引率や限定イベントでの優待など、充実した特典を受けることができます。
また、Beauty Insiderプログラムはパーソナライゼーションと個別化に重点を置いており、ユーザーはアプリ内で好みのテイストやスタイルを入力することで、自分に合ったユーザー体験が提供されます。
特徴
SephoraのBeauty Insiderプログラムは、階層型の仕組みにより、以下のような特典を提供しています:
実績データ:
ポイント:
パーソナライゼーションは、ユーザーが「自分の存在がきちんと認識され、尊重されている」と感じるために、非常に重要な要素です。一人ひとりに合わせた体験を提供し、個人にとって有益なオファーを提示することで、ユーザーを飽きさせることなく、プログラムの体感価値を高めることができます。
ここまで紹介してきた企業の事例からもわかるように、成功するロイヤルティプログラムにはキーとなる複数の戦略があります。使いやすいUI設計や、パーソナライズされたオファーの提供といった要素を適切に取り入れることが、プログラムの成否を大きく左右します。成功するロイヤルティプログラムに共通する主な要素は、以下のとおりです:
ロイヤルティの高いユーザーベースを築くためには、ユーザー動線を煩雑にすることなく、「プログラムがブランド体験全体に自然に組み込まれている」と感じてもらうことが重要です。デジタル上のプログラムでは、必要な機能すべてに簡単にアクセスできること、そしてスムーズな登録体験(オンボーディング)が用意されていることが欠かせません。インストール後24時間以内に、70%のユーザー25がアプリを削除すると言われている今、オンボーディングは時間をかけてプランすべき非常に重要な要素です。実際、適切なオンボーディングによってリテンション率が最大50%26向上するというデータもあります。
使いやすさにおけるもう一つの鍵は、ロイヤルティプログラムがユーザーの習慣に溶け込んでいることです。スターバックス® リワードの事例に見られるように、ユーザーが敢えて使おうとしなくても済む設計になっていないと、多くの人は利用しません。アプリがブランドとユーザーをつなぐ「自然な架け橋」として機能すれば、エンゲージメントを高く保つことができます。特典の確認やリワードの交換、さらには購入まですべてをひとつの場所で簡単・便利に行えるようにすることで、ユーザーがアプリを「使わない理由」を取り除くのです。
使いやすさと同様に、汎用性もまた、ユーザーひとり一人に合わせたユニークな体験を設計するために重要な要素です。これを実現するためには、多彩なリワード、オファーのパーソナライゼーション、そして自社のすべてのプロダクトと連携できる仕組みが求められます。
ユーザーに提供するリワードの内容を決める際には、「ユーザーが誰なのか」だけでなく、「どのように自社ブランドと関わっているか」にも注目することが重要です。ユーザーとの関係性そのものが、リワードのラインアップを形成する、とも言えるでしょう。そうすることで、ユーザーにとって最もメリットのある特典を提供することができます。
無料・有料のリワードを幅広く取りそろえることで、幅広いユーザーの関心を引きつけ、「価値のあるリワードを選べる」ことで、プログラムへの参加意欲が高まりやすくなります。また業界によっては、ロイヤルティに応じた別の報酬手段を用意するのも効果的です。たとえばAmexでは、貯めたポイントを使ってクレジットカードの請求額を支払うことができます。
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パーソナライゼーションは、ロイヤルティプログラムにおける多面的かつ継続的なプロセスであり、ロイヤルティアプリを成功に導くための中核的な要素です。ユーザー体験のパーソナライゼーションには、ユーザーが誰で、何を求め、一人一人に対する最も効果的な提供方法とは何か、しっかりと理解することが必要です。
リワードプログラムをパーソナライズするための第一歩は、ユーザーを深く理解することです。アンケートの実施、業界リサーチ、アプリ内のユーザー行動分析などによって有益なユーザーデータを収集し、ペルソナを分類・整理することで、多様なユーザー層の全体像がより明確に見えてきます。
このようにペルソナを明確にすることで、ユーザーの習慣やライフスタイル、行動特性に合わせて最も有益なリワードの提供に集中することができ、それぞれのユーザーにより適した価値のあるメリットや特典を届けることが可能になるのです。
💡知っていましたか? Deloitte Digital27によると、オンライン消費者の73%がロイヤルティプログラムにパーソナライズされたリワードを求めているにもかかわらず、それを提供しているブランドはわずか45%にとどまっています。
複数の主要プロダクトやサービスを展開している場合、それらすべてに機能するようにロイヤルティ戦略を設計することが重要です。そうすることで、ユーザーの注目を集めると同時に、自社の多様なサービスに触れてもらうきっかけをつくることができます。
ロイヤルティプログラムがライドシェアアプリとUber Eatsの両方にシームレスに対応しているUberの事例を見てみましょう。ユーザーはUber Oneという1つのプログラムに登録するだけで2倍のメリットを享受することができます。ロイヤルティプログラムの体感価値を高めることで、ユーザーに既存の特典の積極的な活用を促すだけでなく、普段なら利用しなかったような新しいプロダクトを使うきっかけを与えることができます。
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限定感もまた、多くの企業がロイヤルティプログラム設計する上で重視しています。目的は特定のユーザーだけを優遇することではなく、ブランドへのロイヤルティが高いユーザーに対して限定的かつより特別な特典を提供することです。より魅力的なリワードを目指したい、という意欲を刺激し、高いエンゲージメントを維持できるのです。
こうした限定感を生み出すためには、Flying BlueやSephoraのBeauty Insiderでも採用されている階層型の仕組みが有効です。ユーザーのエンゲージメントや支出額に応じて、新たなリワードや限定オファーを提供する仕組みにより、ユーザーは新たなステータスの上昇に対して「達成感」を感じることができます。また、ランキングやXPといったゲーミフィケーション要素を取り入れることで、目標達成の欲求を刺激する仕掛けを作ることもできます。
限定イベントやプロモーションを通じてユニークなリワードを提供することも、限定感を演出するもう一つの方法です。魅力的な特典を「見逃したくない」と思わせることで、ユーザーのエンゲージメントを一気に高めることができます。実際、アメリカの消費者の93%28が、割引を提供しているブランドに対してリピート購入をしているというデータもあり、期間限定セールやクーポンコード、会員限定リワードといった施策によって、ユーザーのリピート率アップにつなげることができます。
業界こそ違いますが、ここまで紹介してきたロイヤルティプログラムには、使いやすく設計されたアプリ、ユーザー層に合わせた実用的な特典、そして他にはない高い利便性といった共通点があります。これらの要素が組み合わさることで、各デジタル領域において秀でたプログラムを作り出し、競争の中で存在感を放ち、ユーザーにとって最良のサービスを提供することができます。
パブリッシャーの皆さま、モバイルゲーム業界で、長期的なロイヤルティ構築を目 指していますか?Mistplayのような、ユーザー獲得(UA)とエンゲージメントに強みを持つプラットフォームと提携することで、AndroidとiOSの両方で、ユーザーの時間と課金に応じたリワード設計を最適化し、成功するロイヤルティ構築を実現することができます。
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参考文献: